前クールだったかな、放映だったドラマ。ようやく見終わった。
……これはもう完全にいい部分と悪い部分が分かれる。
面白かったのは警察署内のコミカルな人間関係。
ぜひこのパートだけの話にしてほしかった。
課長が高橋克実で、吹越満が出てて、当然主役の佐藤健と渡部篤郎と、顔ぶれも良かったし
能天気にコミカルで、見てて楽しかったんだけどね。
あえて言うなら「デカワンコ」の系統のノリ。あれよりだいぶハチャメチャ。
そういう話だけで徹頭徹尾作ってくれたら、きっと大好きだった。
佐藤健と渡部篤郎が離婚によって疎遠になった親子、その二人の漫才ぶりが良かったしね。
だが、警察署関係のコミカルなパートに対して、シリアスパートが全然良くないんだよなあ。
1回ごとの事件も妙にシリアスで重すぎる。そこも不満なのだが、
さらにシリーズ通しての敵役として及川光博が変態犯罪者として出てくる。
これが(個人的には)全然ダメ。
及川光博、ああいう変態(渡部篤郎への復讐に燃え、しかも相手の苦痛を見て陶酔するタイプ)はハマリ役だよ。
役者として演技としてわたしは文句ない。チープだけども。そもそもの話からしてね。
だが実質45分のドラマで警察署内があれだけコミカルで、その一方で変態がやり過ぎなほど変態だと……
やっぱりやり過ぎと感じる。コミカルならコミカル路線で行って欲しかった。
だって及川光博が用意周到すぎてさ……。
コメディなら「ねーだろ!」と突っ込んで気が済む(かもしれない)んだけど、
及川光博パートはあくまでも雰囲気シリアスなので……
あまりにもあり得ないことをされると冷める。
最初の方で一旦死ぬんですよ、ミッチー。ここで死ぬわけがない(話として)ので、
当然生きてることは読めるのだが、その死ぬ時のシチュエーションがね……
こんなんで生きてるのって絶対無理!なんだもん。
詳細は覚えてないが、あれを生き延びるためには、刑事さんたちの環視のなかで
爆発から生き延びなければならず、高層マンションからの落下から助からねばならず、
及川ミッチーか?と思われる身体的特徴を備えた死体を予め用意しておかねばならず。
……そもそもその段階で復讐を遂げる気でいるのに、
なんで本人がそんな(失敗した時の)完全な用意をしているんだ!と言いたい。
そもそも今どきの科学鑑定で死体のDNAの相違とか簡単に発見出来るだろ!
それがなんやねん、「発見された死体は足の傷跡から貝塚(←役名)のものと思われます」って!
途中は出て来ずに最終回とラス前に再び出てくるのだが、ここも用意周到すぎ。
警察官にも及川ミッチーの仲間がいる。……それは百歩譲ってしょうがないとして、
ピンポイントでバスジャックの検問が出来るもんか!そんな不確定要素満載の犯罪計画ありえんやろ!
爆弾も3回か4回フェイクがあった。しつこい。
どんだけ巨大組織にすれば気がすむのだ!だからといって組織のボスって描写もないし。
……バットマンの「ダークナイト」を思い出した。あれも仇役の手回し良すぎて、
一体どんな巨大組織やねん、と言いたかった。
及川ミッチー、杖をつくキャラは似合わなさすぎて無理があったと思うよ。
あの人はしなやかさが売りの人なんだから、ふと影のように登場するのとか
神出鬼没ぶりのイメージを押した方が絶対良かったのに。
神出鬼没なのに、杖をついて、脚をひきずって……だと違うよなあ。
最終回の渡部篤郎もしぶとすぎ。
及川ミッチーが渡部篤郎の脚を撃って、ひたすら延々殴りつけて、最低でも20分は逆さづりにして、
さらに腹を撃って、それでも渡部篤郎が生きてるってどういうことよ!絶対途中で死ぬわ!
血がどくどく出てるんだよ!間違いなく失血死。それなのに、最後は歩いて仲間と合流って!
そこまでされるとほんとーに冷める。
限度というものがあるだろ、脚本家!
佐藤健、初めて見たけどけっこういいと思いましたよ。演技的に。顔もいいけど。
渡部篤郎も、最近ずっと続いていた狂気系の役柄ではなく、珍しくコミカルな演技を見たが、
楽しかったですよ。
忽那汐里は……正直わたしはアレ系のツンデレは好きじゃないが、まあ……という感じ。
だからこの顔ぶれで、普通にコミカルなドラマではなぜいけなかったのか!
普通に。有り得ないだろ!ってツッコミが必要なドラマではなく。
有り得るドラマにしてください。
……でもこのドラマの続編を望むよりは、わたしは「デカワンコ」がまた見たいですけどね。
放送局が違うけど。
しかし最後まで見たんだから、全体的にはプラス評価なんだろうか。そうなんだろうか。
あんまりそう言いたくないなあ。
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