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◇ 中村好文「普通の住宅、普通の別荘」

これは少々高い本だったけども、みなさんのおかげで買いました。

中村好文は建築家。
建築に興味がある人にとっては知る人ぞ知る存在だろうが、一般人にまで浸透しているとは思えない。
でかい箱ものを作る人と違って、彼のメインは個人住宅なんです。
そういう人の作品集。

っていうくらいで、特にわたしから言いたいことはない。
興味がある人は読んで下さい。というしか。
だって、素人のわたしが感嘆の声を発するほどの派手な建物ではないし、
どちらかといえばこじんまりとした、普通と言えば普通、というような住宅群ですから。

しかしこの本の中の家にはとても静かな時間が流れていて、
――もちろん編集者の腕もあるんだろうけど、建て主と建築家がとてもいい関係なんだろうな、
というのが伝わってくる気がする。こんな家に住んで大変だろうなー、と思うような家がほぼない。
建築家に家を建てさせると、全面ガラスの家とか、お風呂とトイレの壁がガラスとか、
何を考えてこんなもん作るねん!?と言いたくなる家もたまにあるんですよ。

中村さんは文章も上手だから、そういう意味でも買って損はない感じです。
また書いてくれないかな、「住宅巡礼」のシリーズ。

わたしは、宝くじが当たったら中村さんに家を建ててもらおうと思ってます。
間違っても藤森さんではなくて。あ、藤森さんなら茶室を作ってもらえばいいか。
6億あったら、まあどっちも出来るやろ。

中村好文 普通の住宅、普通の別荘
中村 好文
TOTO出版
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わたしが見てない間に著作がずいぶん増えてるなあ……。

だが、こういう設計建築住宅の写真を見るたびに思うのだが、
――普通、もっと物がありますよね?生活雑貨の類はどこにあるの?
うちはこの30倍くらい物がありますよ。
そもそも物を持たない人が設計住宅を依頼するのか、
撮影のために家財の半分を外に出して写真を撮ってるのか、
どっちなんだろうか。

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