ヒュー・グラント好きなので、いつかは見たいと思っていた「モーリス」、
しかし実際見るとけっこうタルくて大変。
特に、映画の時間を1時間40分くらいだと勘違いしていたので、
1時間50分の段階で耐えられなくなり、あとは5分10分の細切れ見でなんとか完了した。
そもそもじっとりした恋愛ものって好きなジャンルじゃないしさ。
しかもそれが同性愛物となるとさらに好きなジャンルではなくなる。
まあそういったものであろうと予想は出来ていたので、それでも見た自分が物好きというものですが。
んー……とりあえず、主役が地味だな、と思った……。
ヒュー・グラントが主役じゃないんですねえ。
彼の方がはるかに垢抜けていて、――というよりも主役の人が……華がないのではないだろうか。
人それぞれの好みもあろうが。
顔ならば、アレック役のルパート・グレイヴスの方がはるかに好みだったなあ。
フォースターの「モーリス」が原作だそうだが、読んでないのでどういう話か知らん。
映画を見る限り、何を言いたい映画なのかあんまりよくわからなかった。
ヴィクトリア朝の潔癖な道徳観を濃く引きずる時代のイギリス。
そんな社会、階級の中での同性愛者の……苦悩を描いたというもんなんだろうけど、
あんまりじっくり主題に焦点を当てていたようには見えなかった。あっさりしすぎ。
主役の人生とその苦悩、というには、むしろダーラムとかスカダーに目が行ってしまいがち。
なので、話としてぶれた感じになるというか。
主役の人に自分の話だ、っていう迫力がなかったというか。
だからといって3人の同性愛者のそれぞれの苦悩、というには他の2人の苦悩は描かれておらず。
だって、ダーラムなんてあっさり社会的に有利な結婚を決めてるしね。
スカダーだって、失うものはないからあんまり苦悩してない感じだし。うーん。
そもそも主役とダーラムが恋に落ちる過程も、表面的に「はい、落ちましたー」ってだけ。
恋愛ものなら、その部分が第一の山場だろう。
会って、一緒にピアノ弾いて、膝枕して……それだけで、え、いつの間に?みたいな。
でも恋愛ものってわりとそんなもんですか。
だが、それこそそんな時代の中の同性愛だったら、その初期にもっと悩みそうな気がするけど。
まあ映像はきれいですけどね。
最後の終わり方なんて、映像的には余韻があってきれいなんだけど、
――え?ダーラムその程度のもやもやで終了?
――え?主役は堕ちるところまで堕ちる覚悟をそう簡単に出来るわけ?
とかなんとか、いろいろつっこみたいところが。
でもヒュー・グラント好きだと言いつつ、映画は7本しか見ていない。
「ラブ・アクチュアリー」なんて、出てたことすら覚えていない。
まあいいんだ、わたしには「ノッティング・ヒル」さえあれば。
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