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◆ インカ帝国展 マチュピチュ「発見」100年

仙台市博物館で9月9日まで開催のエキシビ。

……なのだが、よほど好きな人以外は、あえて行かなくてもいいかも……
正直つまらん。モノがつまらん。総じて中級品。

まあ、博物館でやるものだから、博物的なアプローチが正しいのかもしれないけど、
「物を見せながらのインカ帝国についての説明」にしかならないのなら、
しっかり作ってある、写真がキレイなヴィジュアル本で十分だと思うんだよね。
テレビでも何度もやってるしねえ、そんな内容の番組は。

わざわざ足を運んでエキシビを見ようと思うのは、
何か驚きがある、何かを付け加える、そういったものを見たいからでしょ。
織物は、――南米は織物が良い所なので、若干の見るべきものはあった。
土器にも数点、いい仕事のもの。
しかし見応えという点では8割くらいは薄味。むしろ展示数をもう少し減らした方が
印象は良かったのではないか。壺や杯の小粒がいくら数並んでても
ほう、という驚きはないからねえ。
本物が持ってこれずにパネル展示、とかあるのもヤなんだよね。
まあ全部を持って来いというのも酷だが、パネルだったらそれこそヴィジュアル解説本でいいわけで。

残りの2割で記憶に残っているものというと、まあ5体のミイラですね。
やっぱりミイラはモノではないからさ。それ自体がそれなりに語る。
成人にしてはみんなとても小さくて、いくら小さく折りたたまれて、
その上で乾燥によって縮むことを考えても、平均身長はどのくらいだったのだろうと気になる。
指に絡められた紐が、傷ましいような切ないような。

あと、文句なく面白かったものが一つだけあって、それは
木製の埋葬所の模型。
……って、展示品のタイトルとしてこれはちょっとインパクトなさすぎ……
しかし埋葬所といってイメージ出来る人いますかね?これはぜひエキシビのホームページ
画像を上げておいて欲しいところなのだが、ないんですよねえ。

んー、幅50センチ、奥行き1メートル弱くらい?
まあ、そのまんまなんですけどね、埋葬所の模型……というか、リカちゃんハウスみたいな。
(と言って通じる人は、昨今どのくらいいるのか)
埋葬所と書いてなければ人形遊びのドールハウスを連想する。
そこに埋葬する人・される人・お供え物みたいな宝箱・陪葬なのかどうなのか、
ミイラの人形が2体、飾ってあって。

あ、形は違えど神棚みたいな存在を想像してもらえばいいのか。
神棚って神社のミニチュアだもんね。
人間も、宝箱も、螺鈿細工で飾られている。まあ、螺鈿細工とまで言うほど細かいもんではなくて、
直径5ミリくらいの丸い螺鈿がこれでもかというほど埋め込まれており。
ここまでの執着は一体ナニゴト?という感じだ。だって空いてる隙間、全面それだもの。水玉人間。

壁にびっしりと魚モチーフが貼りつけられているのも何だろうと思ったな。
インカは山のイメージがあるので……もっとも、最盛期の支配地域は海から山から広い範囲に
わたっていたはずだ。
この模型の出土はチムー文化圏。……おお、wikiで調べたところ、
ここはまさに海の国ではないか。魚モチーフへのこだわりもむべなるかな。
まあ、螺鈿も材料が豊富にあったってことかな。この辺で夜光貝は採れるのかな?
これは面白かった。これだけが面白かった。

んー、マチュピチュの3D映像もなかなか良く出来ていたけど、
エキシビにおける映像って、あくまでもオマケだと思うんですよね。
やっぱりモノで勝負して欲しい。もう少しいいものを持って来て下さると嬉しかった。

「木製の埋葬所の模型」がキレイに見られるブログ発見。
こちらの方のブログでご確認下さい。

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