録画していたこんな番組を見た。
大塚国際美術館は、以前からその存在は知っており、いずれ訪れてみたいとは思っていたところだ。
まあそんなに簡単に行ける距離でもないんですけどね。
……と思って、今改めて地図を見てみたら、予想よりアクセスは良さそうだね。
新神戸駅からバス一本で行けるのか。ふむ。47都道府県制覇の徳島県の目標はこれにするか。
(現在残り12県。目指せ日本征服。しかし、なかなかコンプリートする根性がない)
陶板画は美しいですからね。
フランス国立陶磁器美術館でやはり陶板で名画を複製しており、
短時間の見物だったが、印象はかなり良かった。発色が明るくてきれいなんです。
いくら名画を集めても、下手な複製だと実につまらないことになるだろうが、陶板画ならば面白かろう。
……いつかは行ってみたいと思いつつ、しかし若干のひっかかりが。
入場料が高すぎるんですよ。大人3150円。……これはねー、わたしが行った美術館の入場料として
おそらく最高値。特別展でもない入場料としてこの金額はどうなの、一体。
大塚製薬、企業メセナとしての美術館設立じゃないんかい。
本業で稼いで、さらに美術館収入も得ようというのはガメつくないか。
と、愛憎半ばする(?)大塚国際美術館。
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そして番組を見た感想は、
「……おまえ、なかなかやるな」でした。
最初にシスティーナ礼拝堂が映った時には、やられた、と思った。
そーかい、そこまでやったのかい。そこまでやるとは……予想外だよ。
美術館の規模がわたしの想定よりも三まわりくらい大きい。予想では、ルネサンスの有名どころと
印象派の有名どころを百点並べたくらいだと思っていたが。
システィーナ礼拝堂の実物大模型展示はするわ、ポンペイの秘儀荘の一室は作るわ、
散逸したエル・グレコの祭壇画も推定復元してるらしいし、
タルクィニアなんてシブイところも実物大展示。
何より唸ったのは、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の修復前と修復後を並べて見せているところ。
……いや、これはここでしか見られないんじゃないの。(見られる場所が他にもあるかもしれないが。)
まー、よー思いついたね。お手柄だと思う。そこまでやるんかい。
これ(大塚国際美術館)を作った人は、相当凝り性だし、想像力も豊かな人なんだろうね。
そして潤沢な資金があった、と。幸せな美術館だ。個人的な認定では、大原美術館の次くらいに。
……まー、そうなると入場料の高さもしょーがないかなと思いそうになるが……
いや、大塚製薬はがっぽり稼いでいるんだから、もう少し安くせえ。
ラインナップの範囲がわたしの想像よりはるかに広い。
まさかロシア・イコンまで入れてるとは思わなかったし、アレクサンダーのイッソスの戦いの
モザイクも予想外のチョイス。ってーか、モザイクを陶板で、どう複製してるんだ?
ルノワールだって、有名どころと共に、見たことがないような絵も何枚か写ってて、
……むしろこの辺になると、独自のテイストでマイナーどころも集めて来ているのか、
マイナーどころは版権?が安いため、とりあえず複製しているのか、判断がつきかねる。
前者なら尊敬するが、後者だったら艶消しです……
受胎告知や聖母子をまとめて展示するというのも、ここでしかできない展示方法だろうな。
これは贅沢。いやー、よく考えてあるねえ。
観覧ルートは全長4キロだそうだが、これだけ展示して4キロで済むのかね?
一日で4キロ見るのは大変過ぎるから、宿泊施設を併設して欲しい。
そして3150円の入場料は数日有効ということにして欲しい。
そこまでするのならモンクなしに「エライ!!」と言いたい。
しかしちょっとぎっしり並べすぎな部分があって、そういうことをすると途端に
絵としての品位が下がるから、その辺はもう少し無欲に行って欲しい。
ただ、わたしが改めて言うまでもないけど、本物は本物、陶板画は陶板画ですから。
焼きつけなだけに、色は透明感があってとてもきれい。
でももちろん絵具の厚塗り、重厚感、筆致といったものは表現出来ない。
全体的に、とてもあっさりした物体になっていると思います。
本物はもう少しどろどろとしたものが(いい意味でも悪い意味でも)付随しているだろう。
その辺は見る人が自己責任で。
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