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◇ 有川浩「図書館革命」(図書館戦争シリーズ4)

……あ、今回は甘甘だ。しかも初っ端から大甘。
一体作者はどんな顔をしてこんな甘甘な話を……
いや、武士の情けだ、そこは問うまい。
というより、その問いはそのまま読み手にも跳ね返ってくるもので、
一旦どんな顔してこんな甘甘な話を読んだらいいのか。
でもまあ、児玉清も絶賛しているからね。これを免罪符としてね。
……免罪符って、何がやねん。
と、誰も聞いてないのにモゴモゴ言ってしまうほど甘甘な話であることよ。

表のストーリーはこれはあまり細かくはなく、とにかく怒涛のクライマックスへ向け一直線。
読み込まず、さらっと行きます。本文でも言及されているけどキャラ読みです。
つーか、話には相変わらず無理があるしねえ……。
でも新井素子なんかもっともっと話に無理があった。

ま、いいんじゃないでしょうか、甘甘で大団円で。
少なくとも読み終わって幸せですから。作品世界の状況にもちらっと明るさが見えているし。

玄田さんと折口さんの始末がつけばコンプリートだったけどなー。
堂上&笠原ペアを最後、あそこまでフォローするんなら玄田さんところも……
でもわたしは正直、堂上さんたちをあそこまで書いて欲しくはなかったけどね。
余韻というものがないじゃないですか。

で、4巻の番外編で再度“酔い潰れた女を背負う男”というシチュエーションは止せ。
それ1巻収録の番外編でもやった。4分の2では確率的に多すぎる。

さーて、あとは別冊が2冊。ゆっくり読もう。

そして後日別冊Ⅰ、Ⅱを読んだ感想。

……いやー、別冊はわたしはダメだなあ、コレ。けっこう辟易した。
Ⅰは、作者本人がここまで書かなくともいい。むしろ二次物に任せておけば?という感じだ。
Ⅱは、ちょっと後味が……。たしかに事件だけで終わってもさらに後味が悪かったろうが。
これで全カップルに始末をつけたのはエライと言えばエライのかもしれないが、
やはり余韻というものがなさすぎる。
ちょっと印象悪くなっちゃったなー。

図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
有川 浩
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