あー、ようやく読み終わった。13巻を1年半くらいかけて読み終わった。
まあ全体的に……言うたら「おきゃあがれ!」って感じかねー。
いや、翻訳はエライと思う。こんな退屈な話を、それでも延々と13巻まで読ませたんだから。
文章としては読める。むしろ読みやすい方に入る。平明簡易。
こんな話を変な訳でだらだら読まされたら。続きませんよ、ほんとに。
2001年日本翻訳文化賞。訳者が前書きや後書きで語っていることも、
各巻の末尾についている情景の解説も訳注も、大変丁寧ないい仕事。
訳者にもその他のスタッフにも拍手を贈りたい。
しかしまあ、内容がね。こんなにクドクド書かれてもさあ……。
妄想大魔王だなあ、と思っていた。自分の内面の妄想を細かく細かく、これでもか!!と書いている。
いや、もういいから。
その妄想を止めたらそもそも話が終わってしまうのだが、何度制止したくなったことか。
ここまで文字数を費やすなら、もう少し内容のある話を……
だって、13巻まで読んで、結局この話はなんだったのかというと、
「なぜ私はこの話を書いたのか」という長い長い前書きみたいなもんなんだもの。
前書きという言い方が乱暴なら、……うーん、でもやっぱり前書きでいいと思う。
本文が前書きという不思議な小説。
まあ世界文学史上に一行を占める作品なんだから、なんかいいところはあるんだろうけど、
読んでいて、ええ加減にせえ、と言いたくなることは多々あった。
その自分の頭の中だけの世界の構築を止めろ。
――と、わたしが言うか。
スワン家の方へ 1 失われた時を求めて(1) 第1篇 (失われた時を求めて)
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