アメリカ文学最短コース遍歴中。
あまり言うべきことはないが……
“アメリカ文学として読んでいる”本としては、これが多分7冊目くらい。
もしかすると、初めて面白いと言える本なのではないか。
まあねー。面白本の出現率は、日本文学も似たようなもんかもしれない。
何十年か前に出た集英社の日本文学全集全88巻を、10年くらいかけて現在21巻まで読んでいる。
坪内逍遥の「小説神髄」から始まって21巻の谷崎潤一郎までで、
読めるくらいに面白いと思ったのは夏目漱石と森鴎外と谷崎潤一郎くらいだもの。
あとはもう、……まあ、全否定だけでもないけど、部分的にしか面白くないものばっかり。
日本文学ってこんなにジットリと始まったのか、と天を仰いで嘆息する。
アメリカ文学もO・ヘンリーでようやく面白く読ませようという意識が出て来たのかなーと。
いや、文学という意味ではアメリカははるか遠いギリシアからの西洋文学の系譜をひいているのか。
ということは、明治期にぽっと西洋文学を移植した日本文学とは同列には語れないか。
……いやいや、ちょっと待て。今気付いたが、
“日本文学”と名づけるなら、古事記、日本書紀から始めないと片手落ちだろう、集英社。
古典を無視して日本文学が成り立つものか。「日本近代文学全集」と名乗るべき。
才がありますよね、O・ヘンリーには。導入部とオチが巧い。
巧いので、オチが読める部分もないことはないが。
「最後の一葉」「賢者の贈り物」が有名だから、ヒューマンな(または道徳的な)話を書く
イメージがあるけど、若干人が悪い結末も多い。ただ人が悪い結末でオチが読めるとちょっとね。
その辺は切れ味の鋭さを求めたい。
Wikiを見ると、刑務所に入っていた経験のある人らしい。すごく意外。
刑務所でも模範囚だったそうだし、横領罪だから暴力的な犯罪ではないんだけど。
リンクは新版らしい。わたしが読んだのはたしか新潮文庫だったけれど多分旧版。
「最後の一葉」は収録されていない。
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