佐藤亜紀にしては珍しいくらい穏やかな作品。
――穏やかなだけに、感想として語るべきことがほとんどない。
でも贔屓作家なので、一応記事に挙げておく。
合わせ鏡のような若干ひねった作りが、佐藤亜紀といえば佐藤亜紀っぽいかな。
あとはまあ……底辺にしっとりと降りる露のような悪意と。
……そのくらいか?いつものように唯我独尊で突っ走らないのか、佐藤亜紀?
講談社の100周年書きおろしシリーズとして書いたからといって、
彼女がエンリョするとも思えんけどなー。
わたしが知らないネタがきっと仕込んである気がする。でないと佐藤亜紀たる所以がない。
……って、そんなことを言われてしまうのは作家としていいことなのか悪いことなのか。
この人は相変わらず文章が確か。なので読んでいて快適。
内容もやっぱり「ミノタウロス」あたりよりはこのくらいの方がありがたいしね。
こういう穏やか系といつもの突出系とを、作品数的に半々くらいにしてくれると
わたしとしては丁度いい感じだ。
あ、でもそろそろ彼女の毒舌エッセイが読みたいぞ。
次に出すのはエッセイ集にして下さい。
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