2011-08

◇読んだ本の感想。

◇ ジョン・ダニング「死の蔵書」「幻の特装本」

この本は愛書家が嵩じて古書店主になった元刑事が主人公。本好き、にも色々あるが……色々あっていいのだが、愛書家というのは、その中で微妙に距離を感じる人種だ。物体としての本が好きな人たちってことですかね?この本を読んでいると、どうもそういう感じ...
◇読んだ本の感想。

◇ 恩田陸「小説以外」

これは珍しく我が蔵書。3年前に買った本。積読本の順番がこの度ようやく来て、読み終わった。小説以外 (新潮文庫)posted with amazlet at 11.08.17恩田 陸 新潮社 売り上げランキング: 230802Amazon.c...
ドラマ。

< 蒼天の夢 松陰と晋作・新世紀への挑戦 >(ドラマ視聴)

2000年放映のNHKドラマが去年の12月に再放送され、それを録画したものを先頃見た。やっぱりNHKがちゃんと作ると面白いドラマになりますな。話の流れも淡々とさくさくと、なかなか良かったと思う。もう少しじっくり見せんかい!という人もいるだろ...
◇読んだ本の感想。

◇ 堀田善衛「路上の人」

タイトルから、ホームレスの人たちをテーマにして現代日本の世相云々、という話かなー、と無意識のうちに思っていたが、これが中世キリスト教異端の世界を放浪者の視点からさらっと書く、という予想を裏切る展開。よく考えてみると、堀田善衛の頃はホームレス...
◇読んだ本の感想。

◇ 高野和明「幽霊人命救助隊」

うまいな、と思った。そのうまさはプロっぽいというよりは家庭料理的な旨さ。才走ったところはない。着実に話を積み上げる。実直。これよりわずかでも緩むとタダの話になってしまいそうだが、飽きっぽいわたしが文庫600ページを楽しく読めたんだから、リー...
◇読んだ本の感想。

◇ ジョン・バンヴィル「バーチウッド」(佐藤亜紀・岡崎淳子訳)

佐藤亜紀訳ということに重きを置きすぎたせいか、最初のうちは作者と訳者が二重写しになって困った。段々気にはならなくなっていくが。しかし今回の試み(バンヴィル作品を佐藤亜紀が訳すという)には1+1が3になるような錬金的成果はなかったかな。予想よ...
テレビで見た映画。

< ロング・エンゲージメント >(DVD視聴)

いかにもフランス映画らしく、映像は美しい。――だがいかんせん、登場人物が多すぎる。みんな小太りの(小太りじゃない人もいるけど)ヒゲのおっさんなので、区別がつかない。おっさんというくくりだけなら、10人じゃきかないだろう。って、監督!気付いて...
◇読んだ本の感想。

◇ 宮田珠己「ふしぎ盆栽 ホンノンボ」

またまた宮田のエッセイ。何と今回は珍しく、テーマがあるんだぞ!テーマは、タイトルにもあるように“ホンノンボ”です。なんじゃい、ホンノンボって?……この問いに対する正確な回答は、うーむ、今のところナイ。なぜならば、この本は「ホンノンボとは何か...
◇読んだ本の感想。

◇ 佐藤亜紀「醜聞の作法」

佐藤亜紀にしては珍しいくらい穏やかな作品。――穏やかなだけに、感想として語るべきことがほとんどない。でも贔屓作家なので、一応記事に挙げておく。合わせ鏡のような若干ひねった作りが、佐藤亜紀といえば佐藤亜紀っぽいかな。あとはまあ……底辺にしっと...
◇読んだ本の感想。

◇ ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」

この甘さは飾り砂糖かな。軽やかさを例えるならば、木琴か鉄琴のあのコロコロとした音か。きらきらと転がるようなこの話は、色鮮やかなビー玉か。いや、ビー玉よりももっとはかなく、そうか、うん、シャボン玉。……と思ってよく見てみれば、タイトルが「うた...