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◇ 笙野頼子「説教師カニバットと百人の危ない美女」

ヨクワカラン……。

最初はソフトなんだけどねえ。
……まあソフトというには最初からコワレてはいるが。
でもそれだけの話だと思った。それだけなんだから、別に普通に読めると思った。
「ブス物」というジャンルをあえて書く(ジャンルなのか、ブス物って?)姿勢に
わざわざそこまでこだわらなくても、という疑問を持ちつつ、
日本純文学の基本は私小説なんだろうから、ブス物というのもある意味私小説であるのかと。

だが最後の30ページくらいは、ほんとにわからんかったなあ。
それだけの小説だと思って読むには整合性がとれなくなってきて。
これはやっぱり、普通の人は「……?」と思うと思うなあ。
カルト作家たらざるを得ないだろう。東野圭吾にはなれない。まあ別に東野圭吾にならなくていいが。

ただ、文章には力はあった。破壊力という意味で。

この人は、佐藤亜紀が推薦していたので読んでみたのだが、こういう作風だとは思わなかった。
タイトルからは全く想像出来ない内容でした。
あるんだなあ、こういう小説も。今の純文学ってこういうんですか。

でもこの人は「幽界森娘異聞」を読んで終わりだろうなー。わたしは縁なき衆生だ。
もっとも、森茉莉の評伝(?)を書くには実にふさわしい人である気がするけどね。

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笙野 頼子
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