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< ロビン・フッド >

基本的にコスチューム物は好きなのだが、押し並べてどうも話が適当すぎる。
今回もケイト・ブランシェットが出ることにかなり食指が動きつつも、劇場にまで行くほどの
モチベーションはなかった。
そういうのをたまたま見れると嬉しい。

予想通り、やはり話が大雑把。
衣装とかセットは楽しめるのだが、展開がひどいですね。
10年前に出て行った領主の息子の顔、いくらなんでも覚えているでしょ!
当時どちらかが子供だったというならまだわかるが。
しかも一介の兵士に過ぎないロビンが、いつの間にか領主然とした態度を身につけ、
あまつさえ指揮能力さえ備えているとはどういうことだ!
そしてなぜかロビンが英雄になっているけど、そこまで活躍したとは思えないんですけど。

もうちっと話を練って作品を作って欲しいなー。
しかしチョンマゲ物に綿密なストーリー展開が期待されないのと似たような意味で、
コスチューム物もこの程度しか求められないということなのか?
ま、話の荒唐無稽さは水戸黄門とどっこいどっこいだと思うが……
でもわざわざ劇場に行ってこれなら、なんかアホらしくなりますよね。

ラッセル・クロウもね、常に悪くはないんだけど、いつも同じ役回りで飽きる。
華がないんじゃないかなあ。この人、コスチューム物によく出るけど、何が買われてるんだろう?
顔……じゃないよね。演技力……って、でもいつも同じ演技だし。カラダはいいだろうが。
単なるおっさんに見えるなー。本作のギャラが2000万ドルってほんとですか?

ケイト・ブランシェットは、まあ彼女がわざわざやらなくても良かった役だとは思うが、
しかしこの人は好きなので見てて楽しい。

えーと。悪役のゴドフリーは、ユル・ブリンナーやチョウ・ユンファの流れを汲む
ハンサムハゲの系譜ですね。ちょっと津川雅彦入ってませんか。

ウィリアム・ハートどこ?と探していたんだけど、見終わっても誰だかわからなかった。
あの忠臣なんですねえ。老けたねえ。
わたしは基本、この人を「ジェイン・エア」で知っているだけで、
それによるとわりと大柄でごついイメージがあったけどなあ。あとモミアゲと。

それぞれの役者が悪いのではないが、人物がさっぱり描かれてないので、
その魅力が全然伝わってこないんだよ。ロビンの3人の仲間なんか、ちゃんとエピソードを
作ってやれば、ものすごくいい味を出しそうな関係性なのにもったいない。

若干いい味を出していたかなと思うのは、お母さんの皇太后、ジョン王、ロクスリーのとっつぁん、
そして何よりまんまるの修道士。
しかしこの辺は、かろうじて役者の努力により、という程度で、お互いの繋がりがないから
努力賞レベル。
本来であれば役柄同士の相乗効果でもっといいものになるはずのところなのに。
もうちょっと仕事しろよ、脚本家!!と言いたくなる。

話の素材をぐちゃぐちゃにいじりすぎておかしくなるのもイヤだが、
こんなんではマグロの刺身を切らずにさくのまま出したようなもんだよ。旨くねーだろ。
素材はいいのにもったいない。もったいないもったいない。
今後コスチューム物は、ちゃんと手を入れた脚本を希望。

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