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女子フィギュア ショートプログラム オリンピック2010。

私事だが、先日、アスファルトの道路で思いっきりひっ転んだ。
膝はすりむく、急激な負荷のかかった右腕は今に至るも筋肉痛、
軽くひねった足首は翌日まで痛かった。
そして思う。
――氷上で転ぶフィギュア選手たちも、こんな風に痛いんだな。

さあ、来たぞ、女子フィギュア!
……しかし、4時間半の録画番組を見るのは大変です。
ショートプログラムでこれだから、フリーはどんだけ時間がかかるんだろう……

ほぼ時系列順に。

長洲未来が良かった。あんなに上手かったっけ?と思った。
スピンのシークエンス、ポジションが目新しくてちょっと感動した。
これで16歳なら、これからもっと上手くなるのではないか。
アメリカ女子はここ数年は入れ替わりが相当に激しいけれども。
少しは長く活躍する選手がいて欲しいな。ミシェル・クワンからこっち、
世界で活躍するのが、軒並みせいぜい3年程度ってのも寂しい話だ。

ぎりぎりフリー進出のウズベキスタンのギマゼトジノワが心に残る演技だった。
粗いといえば粗いんだけど、粗さよりもむしろ力強さを感じた。
体いっぱいで表現していた。意志的な容貌と相俟って記憶に残る。
(が、名前はオボエられない……。)

これも名前が覚えられないであろう、グルジアのゲデバニシビリ。
良かったなあ。どこがどう良かったかは忘れてしまったが良かった。
また見たいと思わせる演技。力強く、情熱的で、熱い。
顔も、可愛いとか美人とかいうより魅惑的。
グルジアあたりというのは美人の産地だっけ?長い間の血の混淆が生んだ美しさ。

意外に良かったのがフィンランドのラウラ・レピスト。
普段あんまり好きじゃないんだけど(……主に顔かな(^_^;))、
今回の演技は振り付けは音楽に合っていたし、音楽は本人に合っていた。
やはりいいプログラムにめぐり合うというのは大事だ。

鈴木明子、良かったけどねー。11位って演技じゃなかったと思うけど。
7位8位にはいていい演技……と思ってよく見たら、8位までほぼ1点差くらいなのね。
接戦だわ。彼女が得意なのはフリーだろうし、情感全開のウェストサイドストーリーを
お願いしたい。

そして声を大にして言いたいのは。

アリョーナ・レオノワが可愛くって可愛くって可愛くって!!
テレビを見ながら「かわいーかわいーかわいー!」と叫んでいて、我ながらアホかと……
もうあれだけ可愛ければ演技なんてどうでもいい!……とまで言うと、
アスリートに対してはあるまじき贔屓の引き倒しだが、今回の滑りは良かったさー。

この人はほんとに素直な人だ。
成功すればぴょんぴょん跳ねて喜び、失敗すればびーびー泣いて悲しむ。
子供の率直さ。見てるこっちは既に母の気分だ。
フリーでも満面の笑みを見たいぞ!

以下は4巨頭。(点数的には安藤美姫は少々離されているが)

安藤美姫は、慎重に滑って85点くらいの出来だろうか。
つまずいたくらいでは大きな失敗と感じないのだが、やはり他の上位3者がほぼノーミスだとねえ。
後半に行くに従って調子が出てきた感じはしたし、泣いても笑っても次のフリーで
今シーズンは全てが終わるんだから、安藤らしい体当たりの演技をしてほしいものだね。

ロシェット。
強い。と感じた。まあ体型的にも顔的にもゴツイはゴツイ人だし、今期のプログラムも
元々そういう強さを感じさせる方向ではあったと思うけど。
こんなタイミングでお母さんが亡くなって、わたしだったらおそらく滑れもしない。
そこをあんな見事な滑りを見せる。グランプリファイナルでぼろぼろだったのに、
よくここまで持ってきた。自国開催のプレッシャーはまた特別だろうに。
むしろ母の加護により揺るぎない滑りが出来ていたのかもしれない。
そう思わせるほど、強い演技だった。

さて、真央さんとキムさんですが。

録画で見たので既に結果がわかっていたのだが、真央さんの出来を見て、
これに5点の差をつける人間がいるというのが信じられなかった。
真央さん、良かったですよ。
アクセル決まって良かった。3アクセルを含むコンビネーションを決めても、
3回転+3回転の方が基礎点がいいというのを聞いた時には、理不尽な感じもしたし
「じゃあ真央もそっちを狙った方が良かったんじゃないか」と思ったものだが。

でも、そうか。君はその道を選ぶんだね。通った人がいない道を。他の誰にも出来ないことを。
たとえそれが最大の見返りを与える道じゃないとしても、その道を選ぶのが君の存在理由。
開拓者として進むんだね。

しかし、キム・ヨナも偉かった。
今季不調の浅田真央とはいえ、最大のライバルであることは変わらないだろう。
そのライバルのあれだけの演技を直前に見て、動揺しない心の安定。
それはやはり大したものだ。彼女は、コーチといい出会いをしたんだろうな。
(と、今日のワイドショーで言っていました。)

2人の演技については、もうワタシなどに優劣がわかるものではありません。
どっちがどうとも言えないでしょ。2人ともすごい。以上。
もうほんとにこれは、フリーでどちらかが転んだ時に勝負が決まると言っていいかもしれない。

こわいくらいだねえ、フィギュアスケートという競技がここまで来たかと思うと。
ここまでの対決は、まるで刀の切っ先の上で競うような対決は、今後しばらくはもう
出てこない組み合わせかもしれない。
もしかしたら歴史的な瞬間に立ち会っているんですよ、我々は。

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