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◇ ラルフ・イーザウ「暁の円卓 1&2(全9巻)」

1巻読了時点で、長々と感想(?)を書いたんだけど、2巻を読み終わって全部破棄した。
2巻読了時点での感想が「単に面白くない」に変わってしまったので。

今まで読んで来た「盗まれた記憶の博物館」「ネシャン・サーガ」「パーラ」は、
どこがいいのかわからないものの、わりと面白く読んだんだけどなー。
すごく面白い、ではないが。淡々と読める面白さというか。

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でもこれはダメ。2巻を読みながらゲンナリしていた。

何が気に入らないって、実際の出来事を恣意的に使うところ。
今までの作品と違って、これは近代社会が舞台で(西暦1900年ちょっと前から話が始まる)、
有名人をいっぱい出して来るんだよ。
少年昭和天皇とか乃木希典とかJ・R・R・トールキンとか。実際にキャラクターとして
登場しなくても、話題の中にコナン・ドイルとかチャーリー・チャップリン、
ヒトラーも出てくるし。いくらなんでも節操がないだろ。もうお腹いっぱいだよ。

話の骨子は、世界の腐敗と破滅をもくろむ「暁の円卓」という団体
(団体というと、なんか途端にのどかな感じになりますが)に立ち向かう運命の子の一代記。
……だろうと思う。2巻まで読んだ段階では。
まあそもそも、その団体の存在に気づいたのは主人公のお父さんなので、
親子二代にわたった話なんですけどね。でもお父さんは1巻の半ばで早々と敵に殺されちゃいます。

そもそも円卓で指輪で黒い影で世界の破滅、なんていうと、やっぱり「指輪か?」と
言いたくなるじゃん。「ネシャン・サーガ」も3巻はそう言いたくなったしな。
この人の作品には安易さが漂うからなー。今までは架空世界だったからこそそれが
「許せるお約束」止まりだったのだが、
実際の歴史を材料とすると、その安易さがダイレクトに目につくようになる。

おとーさんは孤児で浮浪児に近い暮らしから英国貴族の養子で後継ぎ、
日本の英国大使館員になり、日本で生まれた主人公は少年昭和天皇と親友になり、
成長後、両親が殺されるも庇護者や協力者には事欠かず、やっぱり公爵だか伯爵の養子になり、
アメリカのタイム誌の創刊者に気に入られ、雑誌記者として働くことになり……

登場人物に世界を飛び回らせて、実在の人物を色々出すのは、
ゲットした数を競うオリエンテーリングか?コレクションか?と言いたくなるぞ。
J・K・ローリングじゃないんだから、自分が楽しいことだけ書いててもさあ。

つまらないので2巻で止める。これに9巻つきあう根性はない。

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こんなんをファンタジーとして書かれると、子供がこれを教材にしてお勉強をしてしまう。
それがイヤ。ここまでの話を書くとすれば力量は相当に必要であろうに……
こういうのを書くということは、20世紀を世界史的に概括出来るほど普遍的な視点を
作者は持っている自信があるんだよね?
もうちょっと節度を持とうよ。子供向けっていっても、いや、子供向けだからこそ。
あー、ヤダヤダ。

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