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◇ ラルフ・イーザウ「ネシャン・サーガ」(全3巻)

ヨンデモ本のご紹介。

「どこがいいのかさっぱりわからないけど、わりと好きだなー」という感想。

これの前に初ラルフ・イーザウとして「盗まれた記憶の博物館」(上下巻)を読んだ。
そしてそれにも同様の感想を持った。読みながら作品の美点と欠点をじくじく考える癖を持つ
わたしとしては、珍しいことだ。

隙はずいぶんある作品だと思うけどなー。
ここまで隙があれば、わたしのキビシサでは「つまらない」になりそうなもんだが。
(この隙の部分について語れば、けっこうな量になりそうだよ)
うーん、不思議。どこを気に入ってるんだろう。

明確に気に入っているのはギリトですな。「ディン=ミキト、大好きなディン=ミキト」と
さえずる鳥。……この人は、登場人物はずいぶん類型的だし、あまり書きこんでないし、
どーだかねえという感じだが、人間以外のものがわりあい魅力的かな?
ディン=ミキトも人外のキャラクターだけど好きだったし。
“夢の島”も好きだった。

……よく考えると、ヨンデモ本(=読んでもいい本)として薦めるには
少々微妙な本かもしれない。わたしが何となく気に入っているのは間違いないが、
これという美点が見つからない。
3巻なんかはものすごく詰め込んでいて……「指輪か?」と言いたいような展開に加えて
予定調和の権化だし。全然手に汗を握る暇もないほどあっさり試練を乗り越えてしまうし。
……うん、やっぱりどこがいいのか我ながらわからない。

ま、気が合ったってことなんだろうね。
この人の作品には、もうしばらくつきあってみる。

ネシャン・サーガ〈1〉ヨナタンと伝説の杖
ラルフ イーザウ
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