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< のだめカンタービレSP ヨーロッパ編 >(ドラマ視聴)

再び、今さらながらようやく今年正月の特番を見終わったもので……

うーむ、やはり特番に関しては、恐れていたことが起こってしまったなあ。
話が薄いですわ。骨がスケスケで旨味がない。旨味は海外ロケでつくだろうと
作り手の方は思ったかもしれないが、そういうもんでもない。
(と、イギリスが舞台だと評価が3割ほど甘くなるわたしが言っても説得力がありませんが)

一夜は千秋先輩の指揮コンクールの話、
二夜は壁にぶち当たったのだめと、初リサイタルの話だよね。

一夜目も不満だったよ。レギュラーシーズンに90点をつけるなら、これは65点くらい。
レギュラーシーズンの音楽シーンは褒め称えたけれども、
2時間少々のSPでは音楽シーン、長すぎてバランスが悪かったと思う。
指揮コンクールは1次から3次の部分を何とか3分の2くらいに減らして、
もっと人間関係とか周辺状況を丁寧に書いた方が……
あれだと、フランスに行った!コンクールに参加した!優勝した!という感じだもんなあ。
行った!の後の部分がもっと欲しいよなー。

……そしたら、原作マンガでもこの部分短かっ!
ってゆーか、ここ原作で2話分しか描いてないってどーゆーことだよっ!
別に指揮コンクールをパリ到着から2週間後に設定する必要はさらさらなかったのでは?
どー考えても、ここもっと書ける部分だろー。ってか、書かなきゃいけないんじゃないか?
二ノ宮知子、一体……。本能で描いてるのか。
マンガは面白いけど、おそろしいばかりにさくさくだなあ。

二夜目はもっと点数が低い。50点くらい。
壁にぶちあたったところの書き方が全然粗いー。もっと丁寧に書いてればなー。がっかりだよ。
あれではリサイタルが成功しても感動がないぞ。

しかし相変わらずキャスティングは上手い。
今回の白眉は……あまり諸氏の賛同は得られないかもしれないけど、片平さんかな。
あの背丈だからジャンプ型指揮に必然性がある(?)。
笑顔での指揮、良かったよ。素人っぽかったけど。ほんとに石井正則は使い勝手のいい奴だ。
ゆうこも良かったな。知らない女優?だが、あの笑顔が実にハマっていた。

あと、日本の仲間たちをちょこちょこずつ写すのも好感を持った。
常に舞台が裏軒なので、絵柄的にはまったく変わり映えしない所が玉に瑕だが……
FAXでの一文字ずつのお祝いメールがとても好き。

黒木くんが、のだめや千秋に連絡を取らないのは非常に不自然だと思うんだけど、
一体どうして?メールや携帯電話があるこのご時世に?まあいいけど。

龍太郎と清良の関係はもっと美味しく書けるはずだけどなー。
これから本題に入るのかもしれないが、中途半端でなんかつまんない。
清良が龍太郎を好きってところが出てないじゃないかあ。
でもこの部分は原作には出てこないところなのか。
ならばこここそ、美味しく書くのは脚本家の腕の見せ所だと思うのに。

あ!そうだよ!今気づいたが、話の最大の問題点は、シュトレーゼマン部分が
無駄にバタバタしちゃったところだよ!
あっちこっち飛び回り、神出鬼没。……といえば聞こえはいいが、彼の動きには
必然性は感じられなかった。ここの部分を整理したら多少なりとも良くなったかも。

千秋が簡単に代役に立って、簡単にヨーロッパデビューを果たすのもヤだったなあ。
もっと時間をとって脚本を練り上げて欲しかった。
原作のさくさくストーリーは両刃の剣だから、表面だけ撫でては絶対嘘になってしまうのに。

千秋が指揮をするといつも泣くけど、あの演出は違うんじゃないか?
レギュラーシーズンラストシーンの「泣き」はありだと思うよ。(あまり賛成はしないが)
でもSPの2回の「泣き」は全然納得出来ない。こんなところで泣いてる奴が、
指揮者として大成するとは思えん。「泣き虫王子」なんてあだ名がついちゃう。
泣いてる時点で集中力が途切れているわけだから、指揮としてもぐだぐだになりそうだ。
玉木宏の泣きの演技もみんな同じだからなあ。ここは演出がヨクナイ。

音楽部分は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲何とかのソロがかっこ良かった。
チャイコフスキーはメロディがお上手。「白鳥の湖」の手垢の付き具合が証明している。
クラシックには時々急所を突かれる。さくっと入って来る。

しかしSPでは、それ以外あまりこれって感じの演奏はなかったなあ。
内的衝動が高まらないうちに聴いても、感動に結び付かないんだよね。
あ、教会のコーラスはそこそこだったか。

次はないのかなー。ないんだろうなー。
日本が舞台ならまだしも、ヨーロッパではね。ロケ代かかるし、オケ代もかかるし。
じっくり作ったSPを年に1回とか見られたら幸いだが。
でもこの時期に何の話も出ないってことは、やっぱりないですね。残念だ。

しかしキスまで進展してしまうとは思わなかったよ。
いいのか千秋、変態の森へわけいってしまって。

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ところでやっぱりマンガは面白いです。
途中で止められずに読み終わると深夜になってしまう。
人物の描き分けが、とか話がさくさくしすぎ、とか相変わらず思うが、話の部分は仕方ないか。
現時点で21巻。こういう、続ければ続けられるストーリーをゆっくり描くと、
未完の世界に行ってしまう恐れがあるからね。さくさく描いて30巻くらいか。
もう少しいくか。多分作者は一応設計図が出来てると思う。
だらだら書いてネバーエンディングストーリーになってしまった諸作品
(王○の紋章、ガ○スの仮面……)の轍は踏まないでほしい。

ただ、(今17巻まで読んでいるが)お父さんの部分が暗そうで、ちょっとコワイ。
いや、ここまでサクサクのピカピカでやってきたのを信じるべきだな。
明るいままのマンガでいて下さいね。よろしくお願いします。

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