いやー……
バカヤロー、とか、ふざけんな、とか、馬鹿にすんな、とか、
罵倒する言葉はいくらでもあるけど、その全てをこの映画にぶつけたい。
ほんとにまったく、ふざけんな!!
(以下がんがんネタバレ)
いや、話に期待出来ないのはわかっていた。
「HERO」は多少ましだったとは言え、「LOVERS」もヒドかったしなあ。
話は端っから度外視していた。中国超大作はとにかくその人海戦術と美術のみ!
それだけを見るつもりだったのに。
しかし話がここまでヒドイと、さすがにやってられませんよ。
例えて言えば、ハムレットのラスト(あれだって相当に無理があるでしょ?)を
30倍くらい荒唐無稽にした感じ。いくらなんだって限度というものがあるのだ!
人口が多い分、使い捨て的に人を殺すことに抵抗がないのか?
しかしそれを主役級でやらないでほしいなあ。つーか、どろどろのぐちゃぐちゃしてれば
それがドラマだって勘違いしてないか!継母と息子の不倫はこないだ「女帝」で見た!
みんな死んでいくのも同じだ!今回チョウ・ユンファは生き残るが、
コン・リーが生き残るのは有り得んだろ!最後のヘタレなことヘタレなこと……
自害するなり、王様を殺すなり、何とかしろと!
お前が元凶だろうが!なのに薬のコップをぶちまけるだけで終わりかいっ!
あのねー、戦闘シーンが気持ち悪いんだよ。
ま、わたしはどちらかと言えば耐性が低い自覚があるから、残虐さのレベル自体は保留としよう。
映画として許せないほどの残虐さだとは断定しないことにする。
が、この映画の残虐さは「荒唐無稽な残虐さ」なんだよ!!
なんでここでこうなる!と大声で突っ込みたくなる展開になった上での残虐。
戦闘シーンを作りたくて作りたくて、話を捻じ曲げてしまったとしか思えない。
そこがすごく気持ち悪い。有り得んだろう!あの黒装束集団の神出鬼没ぶりは!
(展開が有り得ないと言っているので、戦闘方法として物理的に有り得ないことを
非難しているわけではない。わたしは「グリーン・デスティニー」の水上決闘も、
「LOVERS」だったかの、竹林集団戦闘も許せるのだ)
この作品にあったのは、ストーリーじゃなくて設定である。設定とはつまり材料。
人参とじゃがいもと玉ねぎとカレールーと肉を並べられて、「これ混ぜるとカレーだから」と
言われても、食えるわけない。ちゃんと切って火を通してくれよ。
あー、やだやだやだ。
途中で出てきたかった。どうまとめるのかということだけで最後まで見たのに、ラストはあれかい。
ふざけんな。
わたしが日本映画史上最大の駄作と認定している「千年の恋」の次くらいに腹立たしい映画だ。
金が勿体ないよ。これだけ金をかけるのなら、もっといいものを作れるだろう!
目的だった美術もねえ。
あそこまで行っちゃうと、白けますわ。今回の虹色御殿はやりすぎて悪趣味。
「LOVERS」の妓楼、そこの豆太鼓の舞のシーンなんかはすごく良かったのになー。
豪華が無条件に美しかったり素晴らしかったりするんじゃないんだよ、と
誰かチャン・イーモウに教えてやる奴はいなかったのか。
これを作って得意になっているようでは、もうまともな映画を作れる人だとは思えない。
ただ、やはり荘大な絵としてさすがというところは多々あった。
まあそれだけかな……。
あとはお嬢さんたちの胸が気になって気になって……。きれいでいいんだけどさ、
(一応)中国歴史物を作って、それで中国文化史的に有り得ない服装をさせるのはどうかねえ。
日本で例えれば、大奥にベリーダンサー風衣装の腰元が揃っていたらやっぱりヤダ。
チョウ・ユンファとコン・リーの演技が勿体ない映画でした。
あと、皇太子の妹が可愛かった。胸がすべすべできれいでしたねー。
しかしいつも思うが、中国の俳優・女優さんは大変だ。きれいで演技も出来て、
ものすごく運動神経と体力が必要なんだもんなー……
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