テレビ番組としては2時間だけ?かわいそうに、男子の放映は高橋のSPのみではないですか。
いくら女子フィギュアが花盛りだからって。
男子にももう少し光を当ててあげないと不公平。……わたしは中庭が見たかったんだい!
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浅田真央が恐ろしい。
どれだけ進化するのか。17歳、これでこの進歩。この完成度。
以前比べた時は、地力はやはりキム・ヨナだろう、と思った。
技の部分ではなく……(まあわたしがスケート技術についてわかるはずもない。)
技は今後の努力で変わるだろうし、互角といっていいとして。
スケートの美しさにおいて、キム・ヨナはレベルの違う美しさだ。
醸し出す雰囲気が美しい。それは多分、「情感」というべきものだろう。
わたしはこれを天性のものだと思っていて、天性のものだけに、最高の浅田真央も、
最高のキム・ヨナにこの部分で遅れを取るだろうと思っていた。
そしたら今回……浅田真央、何としっとりとした滑りを見せてくれたことよ。
言葉でいうのは難しいけれど、前回までの「単に」美しい動きの追及と違って、
「いわく言い難いもの」が動きにまとわりついていたような。
まあこのあたりはもう、思いこみの部分ではありますけどね。
音楽でいう、1/Fゆらぎのようなもの。
腕の動きにしても、すっと出すんじゃなくて微妙なラインを描いている。
すっと出すのもそれはそれで美しいんだけれど、微妙なラインを描くと、そこに趣が生まれる。
年齢につれて、情感も多少は身についてくるものだけれど、それはあくまで「多少」。
浅田真央の場合は、訓練して身につけたもののように思える。
……もしそこまでを実際に追及しているとしたら、本人も偉いし、コーチも凄いよ。
一体どこまで行くつもりなのだ、あのオンナノコは。
一か月後の世界フィギュア。
彼女の滑りに引き続き「情感」があるかどうか。
今回のわたしの妄想があたっているかどうか、楽しみにしていよう。
もしかしたらわたしは新しい衣装に幻惑されているだけかもしれんし。
……あれ?ということはひょっとして、本人が新しい衣装を着ることによって、
ノっているだけって可能性もあるのか?つまり初めて着物を着た女の子が、途端に着物に
ふさわしいおしとやかな仕草をするようになるとかと同じで。
うーん、可能性としてはその方が高い気がしてきた。
ま、結果が良ければ何でもいいんですけれどね。楽しみである。
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村主は、あまりいい滑りじゃなかったけど、その後のコメントを聞くと、
これでがっかりして引退、という路線にはなりそうもなくてほっとした。
正直、今の段階からの巻き返しは困難だと思う。若さだけの理由ではない。
やはり村主にはジャンプというウィークポイントがあるから。
が、そんなことは本人、よくわかっているんだろう。それでも諦めない。走り続ける。
……偉いなあ、と思うよ。
27歳で置いていかれてしまう焦りを感じなきゃならない、フィギュアスケートという厳しい世界。
彼女は最後まで、この海を泳ぎ切るつもりでいるんだね。
荒川静香のような、利口な出処進退に文句をつける気はないけれど、
ぼろぼろになるまでやるのだ、という心意気には打たれる。
それから、ウズベキスタンのアナスタシア・ギマゼチノーバが印象に残った。
まずフィギュアのイメージからはとても遠い人だった。見た感じはアマゾネス。
馬で草原を疾駆しているのが似合いそうな。
そんな人が氷上で懸命に演技をする姿に惹かれた。
正直、下手だ。粗い。最終滑走グループとして滑るには荷が重いほど。
しかし彼女も27歳、今大会の最年長者。
そういう人が立ち向かう姿勢というのは、やはり美しかった。
風貌とあいまって、野生の獣の美しさを見ていた。
もう見る機会はないかもしれない、一度だけの出会いかもしれないけど。拍手を送りたい。
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