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全日本フィギュアスケート選手権。

(ショートプログラム編。)

グランプリシリーズも好きだけれど、全日本で色々な選手を見るのも好き。
ここで楽しいのは、次世代の選手に目をつけること。
と言っても、今回はあんまり「お、これは」という選手はいなかったかな。

上位陣は……こう言っちゃなんだけど、高橋大輔、浅田真央、安藤美姫くらいになっちゃうと、
勝負としてはもう国内では面白くないからね。
今回の高橋なんて、織田もいないし、一人旅状態だもん。ショートプログラムなんてエキシビでしたよ。
そこまでの実力を努力して身につけたわけだから、本人を褒めるにやぶさかではないけれど、
見ていてちょいとつまらない。

演技としてはね。さすがである。
高橋はなんといってもあの完璧に踊っているステップが凄い。成長したよなー……
浅田真央も……今回のショートは良かったね。唸らされる。なんというか、風格ですかね。
この二人は、あとは自分にいかに厳しくして、どこまで行けるかじゃないかなー。
浅田真央は自分を律していくことが出来そうなイメージだけど、
高橋大輔は、ちゃんとランビエールなりジュべールなりを視界に入れてないと、
知らず知らずのうちに慢心してしまいそうなイメージがある。ご用心。

今回嬉しかったのは、何と言っても久々の無良君だ。ここしか見る機会ないもんね。
いやー、育ちましたよ。16歳だそうだけど、もっと大人っぽく見えた。
滑りは年齢相応にまだまだ荒いんですけどね……。
でもジャンプの重厚感とか、男の子らしくて好きだなあ。最近、男子もみんな繊細が売りで、
男っぽい滑りの人って少ない。フィギュアスケートの性質上、仕方ないことかもしれないけど。
わたしはジョニー・ウィアーも好きだが(←男子繊細系の最右翼)、
無良君には武骨系・本田武史の後を継いで欲しいんだわ。……表現力も必要だけどね。
早くシニアで活躍をしてくれ。

あとは小塚崇彦が見違えるくらいしっかりしましたね。今期初めて見て、今まではあまり
結果が出てないようだけど、今回は良かった。彼も来年くらいには安定するのかな。
ちょっと楽しみだな。

女子では西野何某が取り上げられていたけど、女子はとりあえず羽化するまでは
海のものとも山のものともわからないので、14歳程度だと何とも言えない。
幼虫時代にどこまで凄かろうとも、羽化に失敗する可能性もあるし。
羽化してのちが蝶でしょう。なので、せめて高校生くらいになってからじゃないと、
ちゃんと見る気になれない。

(フリー編。)

今回の安藤美姫は見事。なぜそれをNHK杯でやってくれない……。
浅田真央の出来はそれほど良くなかったけど、根幹の部分は確かなもんですよ。
少し点数出過ぎかな、とも思ったが。でも一つ一つの動きがたしかだもんなー。
一番感動したのは中野友加里。この人のスピンはほんときれいだ。いい滑りだった。

村主のキャリアを持ってしても、心と体を一致させることは難しいのか、と思った。
彼女だってここに賭けて来ているはず。だが、それでもその気合は空回りしてしまう。
ショートはまだしも、フリーは村主らしさが見られない演技だった。
これでは終われないだろうな、彼女も。不完全燃焼だろう。

武田奈也はフリーで多少なりとも持ち直しましたね。
彼女の滑りは好きだ。ダンス系(⇔バレエ系)。女子の中では少し毛色の違った滑り。
まだ出てきたばっかりという印象があるんだけど、19歳なんだよね。
今後どのくらいまで行ってくれるかと思う。
浅田真央が17歳。たしかに彼女は特別だけど、それでもフィギュアはピークが若いからね。
20歳頃にはある程度以上まで持ってきておかないと、という気はする。応援したいが。

男子は高橋大輔、文句なし。失敗もあったけど、それがあろうがなかろうがどうでもいいレベルまで
達している。……本人に「どうでもいい」と思って欲しくはないが。
4回転2回に挑戦したのは評価したい。やっぱり常に挑戦だよね。現状維持を目標にしては
そこで成長は止まってしまう。この程度でいいや、は禁物。「常に挑戦」はきついけど、
競技者はその姿勢が大事だよ。

わたしは中庭健介に勝たせてやりたかった……。
実力という点では留保がつくものの、フリーの演技としては、中庭の方が良かったのではないか。
双方ともに失敗はあったが、南里の方がよりぐだぐだだったじゃないですか。
あれで逆転になってしまうのはどうか。
中庭に行かせてやりたかったよ、世界選手権。彼も気合が空回りしてしまったかな。

無良くんはショートから特に印象は変わらず。
引き続き、今後に期待している。

(エキシビション編。)

みんないい。みんな、フリーをエキシビションくらいリラックスして出来ればいいのにね。

みんな良くて、これ!というのは難しいですな。
やはり武田奈也か。あれだけノレるのはある意味で非常にすごいと思う。ノリは高橋並だ。
その高橋も、毎回言ってるけど、大したものだ。とにかくステップ。
安藤も良かった。だから、これだけ出来るのに、そのむらっ気を何とかしろと……。

今回思いっきり拍手をしたのは、小塚と中野のコラボ。非常に珍しいものを見た。
ええもん見せてもらったわー。初めてでしょ、こういうの。過去にありましたか?
同じ振り付けで滑って、一体この二人の関係性は!?と一瞬勘ぐったけれど、
そうですか、同じコーチの相弟子なんですね。
面白かったよ。エキシビの凝った演出は、むしろ独りよがりを感じることが多いんだけど、
これは見てお得感があった。

だからさー、エキシビ最後のフィナーレをちゃんと映しておくれよ。
わたしは群舞が好きなんだ。みんながレイバックスピンしたり、一斉にダブルジャンプをしたり、
そういうところを見たいのにさー。
いつも番組のエンディングと重ねて、断片的にしか映らない。ゲストなんか映さなくともいいって!
フィナーレだよ、問題は。今回なんかオケに合唱付きで、すごく凝っていたようなのに。
わかってないなー、テレビ局。

しかしオーケストラ生演奏は、選手的にはどうなの?滑りにくいんじゃないかなあ。
エキシビだからこそだろうけど、主役であるべきスケートより、舞台効果の方に比重を置いて
生演奏を持ってくるのは、あまり賛成すべきこととも思われない。
ま、本人たちがいいなら、わたしはかまいませんが。

今回の全日本、けっこう放送枠があって、ありがたかった。たっぷり見られた感じ。
ほんと、綺羅星のごとく……。日本のフィギュアは、しばらくは安泰だよ。
さて、そこに、織田信成の帰る場所はあるのか。
つまづいたからこそ、謹慎期間はみっちり修業して、大活躍をしなければならないだろうに。
全日本にも出てこないとは……。今シーズンを棒に振るつもりなのだね。
せっかくあそこまで来たのにもったいない。これで終わっていいのか、と言いたいぞ。
重いコンダラ試練の道を行くが男のど根性。

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