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「ガリレオ」&「有閑倶楽部」(ドラマ視聴)

東野圭吾は読めば上手いと感じる作家だけれど、好きというほどではない。
「容疑者Xの献身」は良かったけどね。ついこの間、「天空の蜂」を読んで、
達者に書いているなーという意味では非常に感心したけど。
「探偵ガリレオ」はタイトルに惹かれつつ未読。

「有閑倶楽部」、原作は読んだことがあって、けっこう好き。が、名前は知っていつつも、
実際に読んだのが出版されて10年くらい経ってからなので、どっぷりはまるほどにはならなかった。
なので、こちらも思いいれという意味では熱が低い。

大抵ドラマ化なんてのは、原作に思いいれがない方が絶対に楽しめるから、
むしろこの2作、もしかしてイケるのではないかと思った。

……まあ、楽しめないわけでもないんだけどさ。

それぞれの面白かったところとつまらなかったところをあげようと思ったけど、
どっちも、わざわざ部分部分に言及するほどのドラマでもなかったから、細かいことは言わない。
とにかく……なんでもう少しいい脚本を書かないのかい?に尽きるんだよなー。

常々の疑問だが、ドラマって良い物を期待しちゃいけないものなの?
良いドラマと言えるレベルを100とするなら、せいぜい20~30%程度しか行ってないぞ。
最低60%くらいまでに完成度を持って来てから公開しようよ、テレビ局の人。
どっちも素材はもっともっと面白くなりそうなのにねえ。もったいない。

期待値をほとんどゼロで見る分には、そんなに腹もたたないがなー。
抜本的には、ガリレオでは柴咲コウの役柄の性格設定と、有閑倶楽部では赤西仁のキャラクターの
位置づけがどうにも変だと思うけどさ。
何も考えなければどうにか。ただちょっとでもまともに見ようとするとツライな。
とにかく薄いよ。マクドナルドのコーンスープを5倍薄めた程度に薄い。

無理があるんだってば。ここまで番組の本数をひねり出さなきゃならないことに。
今のドラマは確実に1クールで終わるでしょ。ドラマ分野に関しては、これがそもそも元凶ではないか。
これがスタンダードになってしまったせいで、昨今の企画乱発があるわけだから。
言い換えれば、見せかけだけの目新しさの勝負になっている。
タイトルと話は変われど、演じる人が「またこれか」っていう状況は何とかならんのか。

現状だと、金と時間をかけて良い物を作ったとしても、それに対する作り手へのご褒美がないんだよね。
有形無形を問わず。
作り手側の努力を図るのに、目安としてはただ一つ、視聴率しかないわけで。それが拙いんだよ。
視聴率に、ドラマそのものの出来に対しての評価がどれだけ反映しているか。
3ヶ月なんて視聴者にとってもあっという間だから、たとえ駄作だろうが好きなアイドルが出てるだけで、
けっこう見ちゃうでしょ。つまり、作品として良作・愚作はほとんど意味がなく、
単に人気者を引っ張ってきて、ライトなファンを含むファンによる視聴率だけの話で済んでしまう。
で、ファンなんてくだらないものでも相当我慢して見るわけだから、
やっつけ仕事でも何とかなってしまう。

1年くらい続くことが前提なら、あまりいい加減な話の設定ではやはり無理が出るから、
それなりに煮詰めなければならないでしょ。その為の時間もとれるはずだし。
というより、問題は逆で、視聴者の目を1年間ひきつけておく作品を作れないからこそ、
パッケージを変えて次々と似たようなものを出してくるんだろうけどね。

こういう風に言いたくなるのも、わたしが駄作のドラマばっかりを見ているせいなのか?
たしかにドラマの王道はほとんど見ていないしなー。何しろ「北の国から」も1度も見たことないし。
一般的に名作と言われるのは、どのあたりのことなのだろう。平均以下のものばかりを
たまたま見ているだけなのだろうか。

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また、1クールの弊害とは正反対の弊害が、「名探偵コナン」だろうなー。
見れば腹立たしいってわかってるのに、スペシャルはついつい見てしまうが、
ほんと、脚本ひどいですなあ。これ、あらすじに画をつけて声優が声を入れてるだけじゃん。
トリック(トリックになっているかどうかすら微妙だが)をキャラクターが延々と説明するだけ。
これは、視聴率につられて10年続いてしまった弊害だ。内容は、もうとっくにひからびているのに。

せめて半年でも休んで、出来るならその間に編成も変えて、気分を一新した方がいいよ。
今の状態は、むしろ痛ましささえ感じる。

ほんとはなあ。テレビなんて、面白く使えば無限に面白くなるメディアなんだろうけどなあ。
一度テレビ文化をリセット出来たらいいね。例えば5年、いや、3年でいい。
日本全国、まったくテレビがうつらない状態にして。
その後再開されたとしたら、少なくとも今よりはもっと工夫のある番組になるだろう。
有り得ない話ではあるけれど。

パソコンの世界は、この十数年で劇的に変わった。ごく初期は、(わたしにとっては)
使いにくいワープロという位置づけでしかなかったのに、今やグーグルアースまで……
(近年パソコンで一番驚いた機能。初めてエクセルを使った時には、そのお利巧さにも驚いたし、
ICQを初めて使った時も感心した。)
テレビとパソコンを同列には語れないと重々承知の上で、しかしテレビのハード面に劇的な変化は
ないにしても、パソコンがソフト部分で工夫したところも多々あったのを見習って、
「ああ、こんな番組も作れたのか!」と驚けるような、斬新な工夫をして欲しいものだ。
固定観念のトリコになるな。

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