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< メアリー・ポピンズ >(舞台視聴)

ロンドンの何がうらやましいといって、常時ミュージカルが見られるところ。
日本と違って、基本的に何ヶ月か続く前提だから、チケットが取れないということもあまりないしね。
よほど人気の演目じゃなければ、当日や前日に購入可能。さらに、少し人気がない演目になると、
チケット半額で買える場所があったりする。
うう、いいなあ。気が向いた時にふらっとミュージカルが見に行ける環境。
ロンドン・ウェストエンドばんざい!(ブロードウェイより断然ウェストエンドだ!)

「メアリー・ポピンズ」はそろそろロンドンでは閉幕するそうなので、それもあって
そこそこ人が入っていた感じ。子ども率高し。まあ何しろメアリー・ポピンズですから。
でも、実はあの話は子供向けというよりは、そう見せかけつつ大人へ語りかけている話なんだよね。

とにかくセット及びその動かし方が凄かった!
冒頭部分の、中幕とその奥の家のセットの使い方で心をわしづかみにされた。
……えーとね、言葉で説明するのがとても難しいような気がするのだが、
薄い中幕と照明の切り替えを使って、家の外観から家の内部へ一瞬にして場面を転換している。
これはかなり昔の劇団四季「ハンス」で同じような手法を使っているのを見て感心したこともあるのだが、
今回のメアリー・ポピンズの方が、実際的で派手な結果を生んでいた。
原理的にそれほど難しい方法じゃないけど、感心。

それから、家にやってきたメアリー・ポピンズが、鞄の中から次々に物を取り出すシーンがあるんだけど、
上手い!と思った。帽子掛け、背の高い植木、ライトスタンド、最後にはベッドまで鞄から取り出す。
手品そのもの。目に楽しい驚きがある。
ミュージカルの主要素って、曲・声・ダンスだけれど、(王道ではない)こういう部分が楽しい作品もいいね。

一応作品としては古典なので、おなじみの名曲「チム・チム・チェリー」から始まり。
……でもわたしはそれしか知らなかったな。曲で総合的に好きだったのは
「SUPERCALIFRAGILISTICEXPIALIDOCIOUS」
(スーパーカリフラジリスティックイクスピアリドーシャス)。←これタイトル。
これを歌いながら踊るのはえらいこった。段々テンポが早くなるし。
この曲は人数も多くて、衣装も派手で、非常に賑やか。
こういうのはライブで見ると有難味が増す。多少揃ってないかな、と思う所もあったけど。
曲自体は「A SPOONFUL OF SUGER」が一番好きだった。
この時の台所のセットも良かったな。崩れるシーンとひとりでに直っていくシーンがあってうまく作っていた。

この作品はまず第一にセットの良さだったね。曲もいいし、歌や演技も特に文句はないけど、
なによりもまずセットの工夫に感動した。まさにclever。

こういうのを、思い立った時にすぐに見に行けるようになりたいよ。
今回「メアリー・ポピンズ」とどちらにしようか迷ったのだが、
「ロードオブザリング」も出来れば見たかった。
あの話がミュージカルでどうなっているのか、曲はどんなんなのか、今ひとつ想像出来ないので。
うーん、今から考えると、希少性的に「ロードオブザリング」を見た方が良かったかな?
こっちはハズレの場合は激しくハズレそうだと思って、無難な方を選んだんだけどね。

ああ。どこでもドアが。欲しい。

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