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怒髪衝天。

ネットで「ドリカムの”未来予想図”映画化」というニュースを見た。

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アホかっ!
情けない……あまりに情けなさすぎるぞ、映画人!
いや、映画人といってはいけないのか?プロデューサーの小林敬宜なる人を個人的に批判するべきか?
それとも松竹の安易な姿勢を責めるべきなのか。

いくらなんでもさ。内容に見合った大きさってものがあるでしょうよ。
歌詞何曲分か集めて、映画一本でっちあげようって……ナニソレ?映画野郎の矜持とかはないの?
たしかに時代は軽薄短小だ。売れるのはみんなシンプルなもん。わかりやすく、感情移入しやすいもの。
テーマなんて無きに等しく、「純愛物」「ホラー」、ジャンルだけで用は足りるくらいだ。

だからといって、それでいいのか、映画よ!
人を2時間、夢中にさせられる魅力が今の映画にあるのか!
もっと志を高く持って欲しいんだ!「最上の物を作ろう」その心意気が制作者の誇りだよ。
それなのに、最初から適当な売れセンだけを狙ってどないすんねん。

映画ならではのものを見たいんだ。2時間ドラマではない、映画としての面白さを感じさせるもの。
でも昨今は、映画にする意味があるのか?と言いたい、ドラマリメイクのものばっかり。
そんなんなら映画の存在価値ないよ。やせ細っていくばかり。
映画の将来は大変に暗い。

脚本家の育成をもっと真面目にやるべきではないのか。
やはり初めに脚本ありき、だと思う。一番シンプルに映画の面白さを左右する部分だから。
映画会社は、もっと危機感を持って。リードして脚本家を育てていかないと。
何事もそうだけど、裾野が広くないと質の確保は難しいからねえ。
ただでさえ脚本という形式は一般人にはとっつきにくい。書く事に対してはブログなどで
総発信の時代にはなっているけれども、小説と違って普段目にする機会がないだけに、
脚本を書いてみようと思う人はかなり少ないだろう。

脚本にスポットを当てて、裾野を広げる努力をすべきだ。
もちろんそう簡単に当たりなんて出るはずがない。が、とにかく育てていかないと、
今この状態、映画のネタが枯渇しているんだから。せめてネタだけでも発掘が必要。

ここ2年で見た邦画で、“映画として”いいと思ったのは、「花よりもなほ」、
「真夜中の弥次さん喜多さん」「オペレッタ狸御殿」……くらいかな。
「いつか読書する日」も入るかな?これは役者にかなり負った良さかも。空気感は良かったが。
「有頂天ホテル」は好きなんだけど、舞台っぽいから、映画ならではという意味では素直に褒められない。
うーん、2年で3本4本。いや、もちろんわたしも邦画を見た実数は決して多くないし、
特に話題作はほとんど見ていないので、かなり偏った割合ではあるけれども……
おそらく3割程度か。「面白そう」と思って見に行って3割は、ちょっと寂しい気がする数字だ。
「映画を見た!」と思える映画が見たいなあ。

北野たけしの新作が夏に公開らしい。
かなりのオバカ映画らしいけど、7つのジャンルという部分が気になるので、見に行こうと思う。
たけし自身も「今やっている映画のタイプはだいたい押さえた」と言っているそうだし。
たけし的に見た、現在の定型ジャンルが見られるわけでしょ。少々楽しみ。
もっともわたしは「HANA-BI」を見て、とても好きとは言えない映画だったので、
その意味での期待はあまりしていないけれど。キタノ作品はわたしにはとんがりすぎている。

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