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◆ 万華鏡。(NHK「美の壷」より)

いや実はかなり好きなんです、万華鏡。
以前は子供の玩具でしかないと思っていたのだが、ずっと前、万華鏡美術館に行ったらね。
なかなかどうして、美しいものじゃないですか。認識を改めた。
以来、街なかで万華鏡が置いてあったりすると、ついつい覗きこんでしまう。

内側の美しさの追及が本来だとは思うけれど、外側の美もなかなか楽しめるものですねえ。
ステンドグラスで作ってあるものとか。古い時代の天体望遠鏡みたいな、木製の筒型も好きだ。
かなり形に凝って、思い切りファンタジックに作ってあるものも、趣味が合えば楽しい。
あまり大きなものは、万華鏡としては邪道だと思うのでそれほど評価したくないが、
美術館で見たものには相当大きなものもあった。覗くというより、入ると言うべき大きさ。
こういうのも、たまになら良い。

万華鏡がなぜ好きか。――それは「調和」だからでしょう。
今回番組で、五角形の万華鏡や立体に見えるように細工した万華鏡も取り上げられていて
ほー、と思ったが、やはりシンメトリーが王道。
調和を美の必要条件と考えるわたしにとっては、とても肩を持ちたい存在だ。
だって、不協和音な万華鏡なんて想像出来ます?
ないでしょう、おそらく。あったらあったで見てみたいけど。

ノスタルジックな雰囲気をまとっているのも好み。
万華鏡は、本来ならばごくごく物理的な物体なのだけれど、なぜか幻想的ですねえ。浪漫だわ。
錬金術師の秘密の書斎によく似合う。別な世界を眺めるための顕微鏡という趣。
覗き込んでいる一瞬は、別世界に行ける。――それで夢中になって、次から次へと万華鏡を覗いていると、
頭が痛くなるので注意。……これは美術館に行った時の実体験。

こんなところで言っても仕方ないが、宝物として万華鏡を一つ、欲しいと思っている。
内側も外側も美しく、覗き込むだけで魔法がかかるような極上のものを。
万華鏡のフェアなんかでは、いつもそんな出会いを期待しているのだが……
でも実際はなかなかそういう「運命の一品」には出会えないものですね。
みんなそれぞれ美しくても、これ!と迷い無く決められるものがない。

しょーがないから、その代わりにテレイドスコープを買いました。
これは番組でも最後に出てきて谷啓が遊んでたけど、オブジェクトではなくて、
周りの風景を取り込んで映し出すというもの。
なかなか面白い。谷啓が自分の姿を映していたのは実は今ひとつな使い方で、
むしろ映っているものが何だかわからないような場所に向けて映す方が面白い。
ただなあ……これはプラスチック製で600円也。価値は金額ではないとはいえ、
ちょっと宝物にはなりません(^_^;)。

万華鏡。いつの日かの出会いに期待しているぞ。

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