【前半は意外にも面白かったのに!】
淡々と話が進むところが、わたしの好みにあった。
テレビドラマで下手に盛り上げようとすると、わざとらしくなるからねー。
メリハリがないとはいえ、豪華なキャストと、違和感はあるけどセットと背景がきれいだったから楽しめた。
しかし後半がなあ。
前半は「淡々と」で済んでいたスピードが、超特急の様相を呈してくる。詰め込み詰め込み。
22時半頃で、もう話のヘタレぶりについていけなくなってしまった。
これ、3夜で作ったら、そこそこ良かったんじゃないですかねー。
あれでは単にエピソードをこなしただけの脚本だよなー。
犬士たちが揃ってからは、個々のキャラクターが全く立っていないですから。
大英断で、連ドラにするという手もあったかも。
それにナンデスカ、あの最後の平和キャンペーンは。
ああいうこと、台詞として言っちゃうところが脚本としてコワイ。安易だ。安易過ぎる。
台詞の一つ一つに「ええええええええ~~~~~?」と反応してしまった。
カンベンして下さい、本当に。
●豪華キャストはさすが正月。イケメン揃い。
脇も豪華で。……しかし坂本冬美と佐々木蔵之介は、あんな暗い中であっという間に
死んじゃうんですから、役者の無駄遣いってものですよ。ああいう使い方は嫌い。
●泉ピン子、佐野史郎、わかっちゃいるけど面白かった。
佐野史郎……相変わらず突き抜けてはるし。
●わたしは菅野美穂がけっこう好きなので、今回のキワモノ演技は愉しい!後半は彼女が主役だ。
あの高笑い!「陰陽師」で真田広之がやった馬鹿笑いに次いで良かった!
●ともさかりえは良かったですね~。感心。彼女のエピソードだけは引き込まれた。
が、話としては不要だったと思う。船虫を削って、他のエピソードに力を入れるべきだ。
小沢征悦もけっこう好きだ。あんまり見かけないけれどね。
●だが、イケメン揃いの弊害が……八人揃ったところで、絵的に変化がないんだよなー。
押尾何某と、勝地何某と、滝沢と、山下何某は同じカテゴリーだし。
どうしてここに佐藤何某が入っているのか、微妙に疑問だが。
後半はしみじみ、キャラが立っていない。照英は好きなんだけど、せめてこの人辺りに
もっと違う雰囲気の人を持って来るべきではなかったか。
●綾瀬はるかなる人は、いくら何でももう少し、演技をどうにかした方が良かったのでは……
脚本もいかんけどね。あそこだけ現代劇。顔はかわいいとは思うが、髪型も……
着物が似合わないことこの上ない。衣装さん、もう少し何とかしてあげるべきだよ。
●衣装といえば、良くも悪くもワダエミ、ですか。「HERO」「LOVERS」と見たから、
あそこから全く変わってないなー、と思うとツライ。色彩感覚自体はいいとは思うけど、
作品に合わせて色々なものを作っていってこそ名匠でしょう。
あれでは「衣装ワダエミ」を着ているようなもんだ。それしか見えない。
●チュダイ法師が死ぬところは間延びしている。立ち回りとしても今ひとつだし……
あそこは立ち回りなしで、八犬士が駆けつけてご臨終、くらいにしとけばよかったのに。
胸を刺されて、いつまで生きてるんだ、渡部篤郎。
●せっかく八人いるんだから、みんなで力を合わせて玉梓を倒そうよ。いくら滝沢だとは言っても、
奴にばっかりいいかっこさせててもつまらないじゃないか。
……まあ他にも色々とありますけれどね。
それでも映画版よりはましかなあ。薬師丸ひろこ主演であったんです、映画。
児童書の八犬伝は読んだことがあったから、映画を見て「ナンナノ コノトンデモハ?」と固まりました。
疑問を解消しようと、映画版の原作も読んだら更に「えええええええええ??」……。
薬師丸ひろこも、当時大根だし……。もう、どうしようかと思った。
ありゃ許せなかったですねー。
ただ、そこで初めて京本政樹を見ましたが、ほんと美しかったですよー。
今では80%くらいキワモノの人ですが、多分あれが出始めじゃないでしょうか。
衝撃的に美しかった。今回ドラマに出ていたのは、狙ったキャスティングでしょうね。
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前半だけならなー。「意外にも面白かった!」という好印象なんだけどなー。
もうちょっと、脚本を何とか出来なかったもんですかね?
一応何だか記念のドラマなんでしょ~?
あ、そうそう、しかし後半ものすごくよかったところが。
……あの仔犬!ものごっつう可愛かったわー。出てきた途端、「かわええ!」と叫んだ。
あー、あそこと舟虫のところだけが、後半の輝きだあねー。
あとはもう少しがんばろう、でしょう。ほんとに、前半のレベルを保ってくれてれば……努力賞はあげられたのに。
残念。
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