【ノレない映画。】
おかしいなあ、好きなはずなんだけどなあ、こういう映画。
ファンタジー好きだし、ありえねーっ!って設定好きだし、セットも衣装も
雰囲気も好きだったのに。おかしい。
ま、とにもかくにもストーリーが、ということなんでしょうけどもね。
どうも「好きな人は好き」な映画らしいので、いいところはあるのでしょうが、
わたしのツボは思いっきり素通りしていきました。
”当然好きな作りなはずなのにノレない”というのは、以前にもあって……
それはナイトメア・ビフォア・クリスマス。あれがまさにこんな感じでした。
似ていると言えば似ている。と思う。
ストーリー上の難点は、三人の子供たちの特技が生かせてなかったことが一番かな。
長女の発明好きも、長男の膨大な知識も、次女の噛み付きも、申し訳程度に出てきただけで
存分に活用されているとは言いがたい。こんなん、すごく遊べる設定だと思うのだが。
肝心の結婚式のところでも長女は早々に諦めちゃうし。いかに次女が人質に取られている
といっても、なんかひらめいてもいいでしょ。髪を結べ、髪を。
大人たちの描き方が非常に中途半端に感じた。
最初からぶっとんでいるジム・キャリーはいいとして、それ以外の大人が中途半端に馬鹿だ。
もう少し畳み掛けるような馬鹿さ加減だとリズムとか緊迫感もあったと思うけど、
キャラクターとして厚みがない。生きてない。
まあでも、いいところもありました。衣装とセット。これは良い。
子役たちも良かった。ジム・キャリーは……うーん、あんまり好きじゃないかな。
初ジム・キャリーだったんですけどね。メリル・ストリープはまあまあ。(これも多分初)
小ネタで笑えたのが、メリル・ストリープの家が崩壊するところ。
「そんなんあるわけ無いやろっ!」と突っ込むに値する台詞の通りに家が崩壊してゆく。
でもあそこでもっと大掛かりな「発明」で逃れて欲しかった。
あれだと発明とまではいかず、単に機転を利かせての脱出でしかないからなー。
そうそう、一番良かったのはどこかというと、エンド・ロールです。
あそこは良かった。近年まれに見るハイ・クオリティ。ここまでの凝り具合で本編も
進んでくれていたら傑作だったんだけれど。
でも巷の評判を見ると、好きな人はどうも好きらしいです。やっぱりツボが違うんだなあ。
同じ映画で見方が全く違うのだから、人間というものは面白いですね。
続編があっても見ることはないでしょう。
腹は立たないけれど、まるでノレない映画でした。
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