【快笑・苦笑・失笑・冷笑……】
え~え~え~え~。こうしますか。そうですか。へー、こうなるんですか。
……導入部、3分に一回はツッコむところがあるので忙しい。そういう意味では退屈はしない。
これ、大人が見て耐えられるものではないのではないか……。
「ストーリーのいい加減さ」に対しての許容範囲は人によってだいぶ違う。
わたしは……ウルサイ方だと思うけれど、しかしこれはあんまりかも。リアリティゼロ!
何もリアリティが全てだと言っているわけではありません。が、限度というものが。
たとえば、何十年(多分二百年)も北極圏の氷の下に埋まっていた船に積んであった火薬が、
火をつけて大爆発を起こしますかねえ?しかも大爆発のすぐそばで主人公は生き延びるし。
……こういうのが、一回や二回のことならそれほどうるさく言うのも野暮だと思うんですけど、
全編こんなのばっかりなので。
「インディ・ジョーンズ」も見たことないわたしがこれを見に行こうと思ったのは、
謎解きの部分がちょっと面白そうだと思ったからのですが、謎解きもダメでした。
あの……ニコラス・ケイジさん、それは推理ではなくて思いつきなのでは。
思いつきも一度や二度なら(以下略)。
見ている間はかなり苦痛。バカバカしくて。隣の隣に座っていた年配の方は、
途中で席をお立ちになりました。エンド・クレジットが始まった途端、席を立つ人多数。
そういうわたしも、普段は滅多にそういうことはしないんですが、場内暗いうちに帰りました。
が、撮られている物はまあまあいい感じなんですよね。役者、ロケ場所、セット、小道具。
なので、時間が経って「リアリティの無さに対する苦痛」が消えたら、
けっこう良い印象が残るかもしれない。そう思うと怖い。
初ニコラス・ケイジ、可もなく不可もなく。ダイアン・クルーガーきれい。
ショーン・ビーンはあんなオバカな役にも関わらずかっこよかった。
お父さんの性格設定も好きだったし、役者は総じて良かった。
台詞回しに笑えるところもありました。全てがダメダメだったわけではない。
しかしとても褒める気には……
わたしはB級を狙って作られた映画は嫌いじゃないんだけど、これはそういうものではありませんからね。
もっと低予算でもっと徹底的にB級にしてくれればあるいは。
快笑・苦笑・失笑・冷笑の割合は、3:3:2:2です。
失笑までは何とかカバーできるけれど、冷笑までさせるようになっちゃ映画としては失敗でしょ。
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